あんずとひなたとネーロとビアンコとまゆの日記

みんなの日々の出来事や思ったことを書いてます

ひなちゃんのマウンティング(・_・;)

こんにちは♪
朝のうちは大雨が降っていた北九州です。
お昼前になってやっと晴れてきました。
今日は休みなのでゆっくりPCに向かうことができました。
 
さて今日は、私が最近強く思っていることを書こうと思います。
私は今、福祉事務所で働いています。水際作戦で有名なところと言えばご存知の方も多いかもしれません。
人間の福祉については、
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」に基づいています。
 
では動物の福祉はどうだろうか、と思うんです。
調べてみると、動物福祉の原則がありました。
1.飢えと渇きからの自由
2.不快からの自由
3.痛み・傷害・病気からの自由
4.恐怖や抑圧(distress)からの自由
5.正常な行動を表現する自由

(OIEより)
 
私は、あんずとひなちゃんが犬らしく暮らせる環境をどのくらい作ってあげているだろうかと考えたりします。
そして必ずぶつかり、皆さんにもぜひ考えてもらいたい!と思うのが、現在日本で主流になっている「犬のしつけ」です。
先日の記事カーミングシグナルでご紹介した通り、犬(猫も)は感情を持っていて、意思表示をしています。
また、最近は所有物扱いの「ペット」と言うよりコンパニオンアニマル(人生の伴侶としての動物、仲間)として認識されており、飼い主を癒してくれたり元気づけたりしてくれる大切な存在になっていますね
 
カーミングシグナルを知ると、犬にとって何が苦痛かを知ることになります。
過去にひなちゃんを連れてパピー教室に行った記事を書きました。
目的はパピー同士の社会化だったのですが、3回だけ行ってやめました。
大した問題行動(噛みつき、飛びつき、吠え)などがなかったというのもありますが、私が一番引っかかったのは一つ一つのしつけに意義と根拠が見出せなかったからです。
 
イメージ 1
 
※急におもしろい画像でスミマセン
 
これ、私がストレッチしてるところ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
イメージ 2
 
ひなちゃんは私にだけ、マウンティングをします。
 
これは問題行動のひとつとされ、「人間にするのは、自分の方が上だと思っている証拠なのでよくない」と言われています。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
イメージ 3
 
ソファで寝るあんず。
 
問題行動とはいかないまでも、人間が座るソファに上がらせたり、一緒の布団で寝たりすると、「犬の立場が人間と同等になるのでよくない」とされてます。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
はたして本当にそうだろうか??と思ったことありませんか?
本当に犬ってそういう生き物だろうか?というか誰も犬になったことないのに、どうしてそう言い切れるの?と思うんです。
 
例えばしつけの定番なのがオスワリとフセ。
おやつを持ってオスワリ、フセを教えますね。
何回も同じ練習をさせられると、犬はすぐに鼻をペロペロ、顔をそむけ、嫌がります。
犬は飼い主に「もう嫌だよ。つまんないよ」と言っているんです。
そんなことをパピーが集まった興奮状態で教え込まなくても、たまたまオスワリした時に「オスワリ」と言っておやつをあげても同じように覚えてくれるんですから、このやり方でなくてもいいと思ってやめました。
ちなみにしつけのほとんどは、ストレスサインを出すようなやり方でなくても教えることができます。
 
最初に教えられたのがアイコンタクト。カーミングシグナルにも出てくる通り、目をじっと見るのは、犬にとって脅威であり、目を細めたりそらしたりするのが良いマナーとされています。
それを飼い主の目をじっと見る練習をパピーの頃からするのですから、首をカキカキ、尻尾を追いかけグルグル回る(ストレス行動)、舌をペロペロするのは当たり前なんですよね。
でもそうしながらも、ちゃんと覚えてくれるんですから犬はお人よしなのかもしれません。
というか、生後3ヶ月くらいでちゃんとシグナルを使えるんですよね。
「あら、うちの子、しょっちゅう首をかくけど、虫でもいるのかしら」くらいに思っている飼い主さんも多いハズ。
「うちの子は尻尾が好きで追いかけ回すんですよ~」と言っている飼い主さんもいたなぁ。
 
話を戻して、シグナルを無視して練習は続きます。飼い主も必死。
帰ったらひなちゃんはヘトヘト(私もヘトヘト)で、ちっとも楽しくありませんでした。
 
次にリーダーウォーク。
犬はいついかなる時も飼い主にぴったり寄り添って歩くべき、という考え方が根強いですが、その根拠は何なのでしょうか?
 
今私が紹介した、オスワリ、フセ、アイコンタクト、リーダーウォークの他に、食事の前のマテ、マウンティングはダメ、ソファにあげてはダメ、お布団で一緒に寝てはダメ、お留守番はサークルで。悪いことをしたらクレートに入れましょう・・・これは、パックリーダー論に基づくものなんです。
 
パックリーダー論とは、アルファシンドロームとも呼ばれ、犬はオオカミと同じ性質を持ち、オオカミの群れに第一位(アルファ)がいるのと同じように、人間と暮らしている犬も自分がリーダーになろうとする性質があるというものです。
いつからオオカミと犬が同視されるようになったのかわかりませんが、私は犬って、大昔から人の良き伴侶であり、仲間だったと思います。
クレートに入れるのも、「オオカミは穴ぐらで寝るのが好きだから」という理由です。
でもオオカミでも、自分が入った穴ぐらに人が蓋をしたら、入りたくなくなると思うんだけど・・・。
いろいろなしつけ本を読んで、トレーナーにも聞いてみた結果、このパックリーダー論が日本はとても根強いことがわかりました。
そして欧米諸国からは数十年遅れていると言われています。
既に否定されている考えなのに、未だに「人は常に犬のリーダーでなければならない」とか「犬になめられてはいけない」とかいう考えです。
 
ガミガミ叱っている時に、ふわ~っとアクビをされてイラっとした経験ありませんか?私はあります(笑)。
犬は「ちょっと落ち着いてよ」とシグナルを送っているだけなんですが、人間の勝手な解釈で「あくびなんかして横柄な犬」なんて思う飼い主さんもいます。
こっちが勉強不足なだけなのに。
「いぬのきもち」という本にも、このパックリーダー論に基づいたしつけがた~くさん載っています。
しかもそれが「犬のため」と称して。
カーミングシグナルや犬同士の正しい挨拶、習性などがあまり取り上げられていないのが非常に残念です。
 
無意識に、人は犬(猫)を自分より下と位置付けているのではないかと思いました。
心のどこかで「人さまから餌をもらって生きる下等動物」と思っているのかもしれません。
こっちだって動物からたくさんの恩恵を受けているのに、恥ずかしいことです。
 
ちなみに画像のひなちゃんは興奮しているだけです。
犬同士で遊んでいても、興奮すると周りの犬や飼い主さんにマウンティングをする子はいますね。
2、3分もすれば落ち着きますから、私は特に問題行動とは思っていません。
(たまにずっと続ける子がいますが、それはストレス行動かもしれません)
あえて言うなら、マウンティングを叱るのではなく、マウンティング行動が出るまで興奮させないということのほうが大切かも。
あんずはソファや座布団、お布団が大好きなので引きずり降ろしたりはしません。
かつてうちにあったサークルは撤去しました。
 
私が一番怖いこと・・・それはあんずやひなたに嫌われることです。
パックリーダー論に基づいたしつけを全部やっていたら、「おやつはくれるけど嫌なことしかしない飼い主」になります。
たくさんのシグナルを出しているのに、無視されるのですから。
その結果、しつけはできているけど飼い主のことを信頼していない犬ができあがります。
そしてノーリードにすると帰ってこない、ご飯に手を出すと唸る、触ると唸る、咬むなどの行動に発展していくのではないかと思っています。
まぁひなちゃんはノーリードで帰ってこないことも多いけど・・・
 
犬との信頼関係は、現在のしつけ本に載っていることをやっても築けないということなんです。
先にあげた動物福祉の原則からも大きく外れていますね。
犬との信頼関係を築く一番の近道は、カーミングシグナルを理解してあげることです。
嫌なこと(むやみにオスワリさせたりマテをさせる、リードを引っ張る、やたら撫でまわす、叩く、怒鳴るなど)をせず、目を細めて優しく声をかけてあげるだけでも違います。
私はキビキビと私の言うことを聞く、いかにも訓練しましたというような犬よりも、一緒に散歩を楽しんで、にへらっとした笑顔で私のそばにいてくれる犬のほうがいいなぁ~と思うんですが、皆さんいかがでしょうか。
 
イメージ 4
 
ひなちゃんの耳掃除をするあんず。
 
お腹を見せているからといってひなたが降参してるわけじゃありません。
 
リラックスしている証拠ですね~。
 
 
 
 
 
 
 
 
信頼関係を築くとか、相手の立場に立って、とか相手の気持ちを察するとか、私がやっているカウンセリングに通じるものがあります。
人間だけでなく、動物にもそうでありたいものだと思います。